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院長 山本従道からの病気のお話



頭痛について

頭に感じる痛みを、まとめて頭痛と言っています。
頭痛を感じたとき、多くの人は、脳の病気を心配されます。
脳が原因のこともありますが、頭部には、脳のほかにその容器である頭蓋と
眼、耳、鼻、口な どの器官もあります。
頭痛は、これらの器官の異常で起こる事もよくあります。

眼科疾患からの頭痛は、一番多いのは眼精疲労からの頭痛です。
眼鏡が合わないとか、乱視がひどい とか調節障害があり、
目に疲労がたまってきて頭痛が起こるものです。
目の病気でひどい頭痛が起きるものには、緑内障と言う眼圧の上がる病気があります。
眼球の圧が上がって視神経を圧迫し、視野障害など起こしますので
眼科でのきちんとした管理が必要です。

耳鼻科の病気では、慢性の副鼻腔炎が最も頭痛の原因になりやすいものです。
いわゆる蓄膿症と呼ばれるもので、鼻の症状を伴うことが多いです。
また中耳炎も頭痛の原因になることがあります。
ほかに、三叉神経痛、舌咽神経痛も特徴的部位に痛みを起こすものです。
大後頭神経痛という神経痛もあります。
いずれも特異な圧痛点や誘発点をもち特徴的な神経痛です。

さて、一番心配になる脳の病気ですが、頭痛を考えるときにはそのおこり方が大切です。
急性に発症し重症なものには、くも膜下出血があります。
脳動 脈瘤の破裂や外傷でおこり、脳外科的治療を要する最重症の病気です。
他の脳血管性障害でも頭痛もおこりますが、脳内の病変は急性に発症すれば
意識障害が出て昏睡になったり麻痺や言語障害を伴いますので診断はつきやすく、
頭痛だけで悩むことは少ないものです。

他の病気では、髄膜炎も比較的急性におこりますが、発熱や炎症反応を伴うことが多いです。
慢性に進行する病気では、脳腫瘍などがあります。
神経症状を伴わず、徐々に頭痛の頻度と程度がふえて、
頭部CT検査で始めて脳腫瘍が見つかることも時にあります。
側頭動脈炎といわれる血管の炎症で起こる頭痛も鑑別すべき病気の一つです。

また、このような器質的病変でなく、機能的で一時的なものとしては、
発熱や血圧上昇時に頭痛が出現することは日常的によく見られるものです。
いずれの場合も、頭痛のほかの随伴症状が大切で、鑑別診断の助けになります。
以上説明してきたものは、さまざまな疾患に引き続いておこる頭痛で
症候性頭痛とまとめられるものです。
頭痛全体に占める頻度は、それほど多いものではありません。
これに対して、他の原因がなく単に頭痛だけの状態が、狭義の頭痛です。
いわゆる頭痛もちといわれる人にみられるもので、何年も前から繰り返し起こる頭痛です。

代表的なものに、筋緊張性頭痛と偏頭痛(血管性頭痛)があります。
筋緊張性頭痛というのは、肩こりなどのように肩から首すじのコリと 筋肉の緊張があり、
それが続いて頭が痛くなる状態です。
精神的緊張 やストレスとも関係があり、仕事の姿勢や運動不足なども関係してきます。
頭痛では一番多いものです。
治療は、肩こりをほぐすこと(マッサージ)や肩こりにならないような
生活での工夫(体操とかストレ ス管理など)が大切で、
筋肉の緊張をほぐす筋弛緩剤などの内服がすすめられます。

これに対して、偏頭痛というのは、こめかみのあたりがズキンズキンと拍動性に痛む
特徴的なもので血管性頭痛とも言われます。
この頭痛は、反復性、習慣性に起こるもので、
最初は片側に始まり、時に嘔吐を伴うことがあります。
家族歴や性差のほかいろいろな特徴により、古典的偏頭痛と普通型偏頭痛と群発頭痛とに
分類されています。

古典的偏頭痛というのは、閃輝暗点という光り輝いて見えない点状のものが出現するという
特徴的な視覚障害を前駆症状として伴うものです。
家族歴があり(親も同じような頭痛あり)、女性に多く、症状は4〜6時間続きます。
多くは片側性です。

普通型偏頭痛というのは、特徴的な閃輝暗点の出現は少なく、自律神経症状を伴うことが多く、
両側性のことも多いものです。同じく家族歴あり、女性に多い特徴があります。
これに対して、群発頭痛というのは、男性に多く、発作は目の周囲から起こり、流涙を伴い、
症状は1日1回の場合はほとんど夜間に起こり、2〜6週間間歇的に続くといった特徴的なものです。
アルコールのような血管拡張性の薬剤が誘引となることも多いようです。
偏頭痛の中には、他の病型として、片麻痺性偏頭痛、眼筋麻痺性偏頭痛のような
珍しいものも報告されています。
なお、偏頭痛の治療薬は、エルゴタミン剤という特効薬がありますが、
最近もっとよく効く(発作が起きてからでも効く)薬が出来ました。(保険収載されました。)
これは、偏頭痛以外の頭痛には効かないものです。
このような血管性頭痛(偏頭痛)と筋緊張性頭痛が連合する混合性(連合性)頭痛の状態も
臨床的には多いものです。

頭痛でお困りの方は、診療所においでください。


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