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院長 山本従道からの病気のお話



めまいについて

めまいという症状も日常的にはよく経験されるものです。
しかし、この意味するところは、単一のものでなく、様々なものを含んでいます。

国語の辞書を調べても、次のようにかかれています。

めまい(・・まひ)
【目眩・眩暈】
外界が動揺あるいは回転しているような感覚を生じる場合を総称する語。

体の不安定感から回転性めまいまで多くのものが含まれる。
原因も内耳性、小脳性、眼性、神経性などいろいろのものが考えられる。

げんうん。
<1>げんうん【眩暈】
  (「けんうん」とも)目がくらんで頭がふらふらすること。また、その症状。めまい。
<2>
このめまい感に、身体の不安定感、くらくらする感じ、

立ちくらみなどと表現される仮性のめまいがあります。
貧血、肺疾患、高血圧、低血圧、自律神経失調症などでおこるものです。
これらは、一過性の脳循環障害によるもので、失神の発生機序に近いものです。
このような仮性のめまい(症候性のめまい)に対して、真性のめまいという状態があります。
自覚症状は、外界がぐるぐる回る、自分が回る、といった
回転するような運動性の感覚を伴ったものです。
この場合、吐き気、嘔吐などを伴うことが多く、身体の運動によって悪化します。
めまいの鑑別診断には、この仮性か真性かということが、最初の段階ということになります。

真性のめまいとなりますと、脳から平衡感覚器に至るまでの間の障害によって
症状が起こりますが、中枢性と末梢性におおざっぱに分類されます。
障害の部位によって、大脳皮質性、小脳性、脳幹性、耳性、眼筋性などに分けて
論じることもあります。

末梢というのは、耳の奥の内耳という所にある三半規管という感覚器と、
そこから脳につながる前庭神経という脳神経を含むものです。
比較的頻度の多い疾患が多く、耳鼻科の対象疾患になります。
これに対して、中枢というのは、脳幹、小脳、大脳など感覚器からの信号を感じる所です。

末梢性めまいに分類されるものは、平衡機能の感覚器である迷路の障害で、
突発性に発症し、回転性の激しいめまいです。
蝸牛神経の症状である難聴、耳鳴りなどを伴うことが多く、自覚症状的には重症観があります。
代表的な疾患に、メニエール症候群があります。
比較的に頻度も多く有名な病気です。
頭位変換にて症状が出現しますので、発作中には頭が動かせなくなります。
頭を動かしたときだけ発作的にめまい感だけがある良性発作性頭位眩暈症という病気もあります。
耳石という石のような(?)かたまりが三半規管のリンパ液の中に漂って起こるもののようです。

めまいを伴う突発性難聴も比較的頻度の多い病気です。
これらは、耳鼻科での治療が必要になります。

他に結核の治療剤であるストレプトマイシン(ストマイ)などの薬物で起こる
中毒性迷路障害もあります。
これはめまいの感じがやや浮動性のようです。
平衡機能の感覚器から脳につながる神経が前庭神経というのですが、
そこの障害でも同様のめまいが起こります。
代表的な疾患に、小脳橋角腫瘍という脳腫瘍や耳の帯状疱疹などがあります。

中枢性のめまいは、小脳や脳幹部の血管障害、腫瘍性病変で起こります。
耳鳴りや難聴を伴うことは少なく、症状は比較的長く続きます。
傷害の部位によって、知覚障害や共同運動障害などのほかの症状を伴うことが多いです。
また、椎骨脳底動脈循環不全というあいまいな疾患名も以前は良く使われていました。
他の原因としては、頚椎性のめまいがあります。
むち打ちの後遺症でめまい感が続くこともあります。
頚椎の骨の変化により頚部交感神経緊張の症状などを含んだ複雑なめまい感を
起こすこともあるようです。

このようにめまいは、様々な疾患に関連のある症状ですが、
心配な方はクリニック・アルペンローゼへご相談ください。



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