〜職員からのお話〜 |
初釜の集い |
IGLグループ本部 事務員 渡辺幸江 |
安佐南区上安の自然に包まれながら、ベルローゼ・デイケア 初釜(お茶会)が催されました。この日はあいにく雪が降りま したが、お茶席(輝きの間)の窓から見える雪景色もまた風情 がありました。この度の初釜は立礼の席という形式で行ないま した。ゆったりと静かな時間の流れの中で、ご利用者様には無 心になれる初春のひと時を楽しんでいただけたのではないでし ょうか。 この度、私はお手前をさせていただきました。IGLの職員 として、また社中として参加できたことを大変感謝しています。 今日、日常生活から日本伝統の文化が目に見えて次々と消え 去っていくのを感じます。超スピードで日々の生活が洋風に変 わっていき世の中が便利になっていくかわりに、生活の中で感 じる季節感はどんどん薄らいでいます。忙しい毎日に追われる 生活を送っていると、いつの間にか時が経ってしまっています。 寂しい限りですがこれが現状ですよね。 そのような中、『茶道』とは日常の慌ただしい生活を一瞬忘 れ、季節を肌で感じることのできる世界です。茶道を習い始め た頃、歩き方、物の持ち方、手のしぐさ等の細かい作法を覚え ること手一杯でした。少し慣れた頃、お稽古の場から飛び出し て、先生についてお茶会に足を運んだりし始めた頃から、茶道 が楽しくて楽しくてしょうがなくなってきました。ただただ体 で学ぶ・覚えることから少し前進して、心の中・頭の中で学ぶ ことが出来始めたからではないでしょうか。色々な決まりごと の理由や由来一つひとつを知ろうとする余裕ができてきました。 本当の意味でお茶がおもしろくなってきたのです。 私が今まで茶道のお稽古を通して得たものの一つ目は、「ど んな事態が起きても慌てたり動じたりすることなく、対処する、 反応できるようになる精神を与えられること」二つ目は「人に 気を使う心が身につくこと」です。もちろん私自身完璧に身に ついているなんて思ってもいませんが、このような心構え(心 遣い)や意識を授けてもらったと思うのです。 最近ある人に、「普段せっかちだけど、お茶の時ばかりは自 分を見つめているのでは?」と言われました。確かにその通り! 時にはお稽古どころではないくらい仕事やプライベートで落ち しまうことがあります。そんな時は自分のお尻に鞭打ってお稽 古に通います。けれど不思議なことにお稽古が始まると気持ち が落ち着くのです。自他共に認めるおっちょこちょいな私です が、精神的に鍛え上げられていると感じます。心静まる貴重な 時間です。 「茶は喉(かつ)を医(い)するに止(とど)まる」〜千利休〜 (もともとお茶とは、ただ渇きを取り除くためのものである) という言葉があります。喉が渇いた時に喉の渇きをいやすとい 茶道クラブは毎週木曜日午後、ベルローゼ『輝きの間』にて |