*職員へのインタビュー
おくすり、ちゃんと飲めていますか? |
ベルローゼ薬剤師 脇野和子 |
私はベルローゼで入所中の方の処方された薬を調剤 したり、 ショートステイの方(時にはデイケア)のか かりつけ医からの 持参のお薬の内容を調べたり、お薬 に関する仕事をさせてい ただいております。 以前は調剤薬局で働いていましたが、こちらで5年 余り仕 事をさせていただき、ゲストさんの、病気を持 ちながら長寿で 明るく前向きな姿にパワーを感じ、い ろいろ自分自身も教え られています。 今まで長期に薬を自分が飲むということもなく過ご してきま したが、いざ自分が1日3回必ず薬を飲むと いうことになりま すと、ばたばたしていると命にかか わるような薬ではないの で飲まなかったりすることも あり、薬を飲み続けるということが 大変なんだという ことがわかってきました。 高齢者は、薬の代謝や排泄する肝臓や腎臓の機能が 低下 して薬が効きすぎたり、体内に長く貯留したりし 思わぬ副作 用が現れることがあります。また複数の病 気をもたれ、たくさ んの薬を飲まなければならず、薬 と薬による相互作用を引き 起こす可能性も高くなりま す。加齢にともない目が見えにくく なったり耳が聞こ えにくくなったりし、薬を見間違えたり薬の 飲み方を 聞き間違えることも考えられます。体の状態も年齢に 比例せず個人差があります。 副作用や病状などを自己判断して必要な薬を飲まな いと、 病気が悪化したり治療が長引く原因になったり します。効果 がすぐに現れず、一定の期間飲むことに よって効果が出てく る薬や、薬の反応を見ながら増量 していく薬、薬を中止する ことによりますます調子が 悪くなるものもあります。薬を飲ん でいるときに体の 不調を感じたら一人で不安を抱え込まず、 すぐに医師 ・薬剤師に相談する事も大切です。また健康ブー ムで いろいろな健康食品、漢方薬、大衆薬等も安全性をう た い飲まれている方もおられると思いますが、やはり 処方され ている薬と同様で副作用もありますし、相互 作用(飲んでい る薬や食べ物の間でその薬の作用を強 くしたり、薬の効き 目を弱くしたり、副作用が出たり する)により、せっかく元気に なろうとおもったのに そうならないこともあるので、飲まれて いるものにつ いてはかかりつけの医師、薬剤師に言われて おられた ほうが必用な薬が正しく飲めると思います。また、薬 をもらうときは薬のことをよく聞いて、わからないこ とがあっ たら必ず質問して、その病院でもらってる薬 、売薬(風邪薬、 頭痛薬その他)等も伝え、時間がな ければ他の時に電話な どで聞いて薬の正しい知識をも って、きちんと飲む量、飲み 方を守り服薬されること も大切です。 では薬を飲み忘れないように正しく飲むためには? ◎薬をもらったとき、袋に飲む日付けや時刻を書き込 んでおく ◎食事のとき、薬も食卓に出しておく ◎薬を飲む時間にタイマーをセットしておく ◎自分なりに自分の生活時間に合わせて飲み忘れにく い時間をみつけておく 等の方法がありますが、その手段としてたくさんの薬 と飲む ものがまちまちでわかりにくい場合、理解でき ない場合は医 師に相談され飲む時間ごとに飲む薬をひ とつの袋に入れる一 包化をお願いされたり、薬を一回 分ずつケースにいれたり、 箱を利用して仕切りを作り いれてみたり、カレンダーに貼り 付けたり、市販の物 や手作りのものをおおいに利用してみる のもいいでし ょう。そうしたものの他に、家族や介護者の声か けと 確認も大切です。薬の中には一、二回飲み忘れてもた い して問題にならない薬もありますが、飲み忘れては 困る薬も あります。飲み忘れに気づいたら自分で判断 せず、医師や薬 剤師に相談するようにしましょう。 また薬が飲み込みにくくなったり、つかえたりする ようなこと になることも高齢になると出てくると思い ます。そういう時は、 医師に相談して薬を粉砕したり (薬によっては粉砕したらいけ ないものもある)粉の 薬に変えてもらって処方してもらうことも できます。 錠剤でも市販されている嚥下ゼリー(ごっくんゼリー 等)、ヨーグルトやお粥に混ぜたり少しずつゆっくり 飲んでもらっ たり、粉の場合はとろみをつけて飲んで もらうのもいいかも知れ ません。いろいろその人にあ わせて工夫したり聞いてみたりす ることも大切です。 薬を飲むことは病気を持って生活していく上で食事 や水分と 同様生活の質日常動作上で大切なことだと思 えるようになりま した。正しくくすりと付き合い、薬 剤師にも多くの疑問を投げか けてください。 |